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2008.11.03

札幌3-札幌グランド・ホテルで「伝統」の味

いよいよ今回のメインの目的地、札幌グランド・ホテルへ向います。このホテルが改装される前にあったフレンチ・レストラン、グラン・シェフのファンで1年に何度も通っていた時期がありました。オーセンティックな料理、こじんまりした店のつくり、そしてスタッフの方の暖かなサービスがお気に入りだったのですが、改装して新しくオープンした店はカジュアルなお店でビュッフェなんかをやるようになってしまったので、すっかり足が遠のいていました。今回は、グラン・シェフの、あるいはその前の原生林時代の懐かしい味を小泉料理長が再現される企画ということで、2年ぶりくらいに伺いました。

店に入って席に着くと、かつてグラン・シェフ時代にお世話になった小熊さんが、すぐに席までいらっしゃいました。伺っていた際のエピソードも覚えていらして、懐かしい場所に戻ってきたように感じ、すっかりリラックスしてしまいました。小熊さんを除く当時のスタッフの方々は、ホテルをやめられた方、別の部署に移られた方とそれぞれの道を歩んでらっしゃるとのこと。たった2年ですが、月日の流れを感じます。まわりのお客さんも今日は年配の方も多く、当時のお客様がたがみえているようです。

のどを潤すために、まずは泡ということで、本日のメニュに載せてあるお勧めから。シャンパーニュではなく、ゼクト。これは残念ながら、はずれです。まぁ、すごく安いものなので、こんなものでしょう。スティルは、別のリストから選ぶことにします。お願いすると、かつて新しくなって1度だけ伺った時に、相手をしていただいたソムリエさんがリストを持ってきてくれました。当時のワイン・リストは田崎慎也氏が北緯43度にこだわって(このホテルが北緯43度にあるので店の名前もNord 43)世界中から選んだもので、普段あまり見かけることのないワインばかりがたくさん並んでいる上に、絶対額も高めで素人には使いにくいリストでした。当時このソムリエさんは、別のホテルからこちらへ移ったばかりで、飲んだこともないワインを勧められないと、かなり苦労されている様子でした。今回のリストを開いてみると、なかは完全に変更されていて、フランスものを中心としたリストになっています。ただし、リストされている種類はかなり少なくて、新しく仕入れ直したのか値段も比較的高めの設定です。今回はソムリエの方も自信を持って進められるとのことのため、おまかせしたところ白はローヌ、赤はボルドーのしっかりしたものを選んでいただきました。

さて、料理です。当日のメニュはこちら。

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アミューズは、ジャガイモをつぶして大量のバターとともに混ぜてあげたもの。口の中でとろけていく美味しさです。

前菜は、小泉流八寸。和食の八寸の形を借りてフレンチが盛り付けられています。やはり、このように小さくチョコチョコとしたものが、日本人の好みなのでしょう。一つ一つの量が少なくて強い印象は残りませんが、全体に美味しくいただきました。特にユリネのカプチーノは味が濃厚で後をひきます。

つぎは、きのこと栗の入ったコンソメ。ここからが、伝統の本番。食器も全く変わって、当時天皇陛下がいらしたときにも使用されたという、金箔のふんだんに使用されたクラシックなものになります。サービスも当時のまま、きのこやクリだけ入ったカップがテーブルに持ってこられ、目の前でスープが注がれます。贅沢なコンソメのベースに、自然のきのこの味わいがプラスされたスープは、非常に滋味深いものです。

それからホタテのコキールグラタン、原生林スタイル。まだ札幌グランド・ホテルと名前が変る前から使用されていたホタテの形をした専用の器のなかにグラタンが入って、これまた贅沢なクラシックな皿に載せられて登場です。当時は、冷凍のホタテのほうが生のものよりも美味しいということでわざわざ冷凍したものを使用していたそうです。今回は、冷凍ものと生のものの両方が入っていて、食べ比べという趣向でした。

口直しの無花果のソルべのあとのメインは、牛のパイ包み焼き。中にはフォアグラとともにマデラソースが入れてあります。周りには、もう少し軽めのソースがかけてあって、トリュフが散らされています。マデラソースの味は当時のままです。

パンは、コラーゲン入り(?)だそうで、なんだかモチモチしたものでしたもの。

メインの後に、ごはんが出ます。炊き込みご飯で半分食べた後に、アサリのスープをかけて食べます。和のコースの締めとしては美味しいご飯だと思いますが、この中でごはんが必要なのかは疑問です。

デザートはアイスクリームのてんぷらと秋茄子を甘い赤ワインソースで煮込んだもの。アイスクリームのてんぷらは、確かになんだか昔そんなものがはやったことがあったなーという感じ。茄子は意外と(?)美味しい。残っていたワインとともにいただけました。

最後に小菓子と、3種類のブドウが房に付いたまま、それにコーヒーです。

多少疑問な皿も含まれたコースでしたが、スープ、グラタンそしてメインは、懐かしくそして印象深いものでした。

帰りには小泉総料理長みずからテーブルまで挨拶に出ていらして、ご自身手作りの辛い味噌を渡していただきました。フレンチ風のビンですが、中身は和の味噌です。

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ここで、最後のサプライズが!連れが、今夜のアミューズの香りがとても懐かしく、当時のグラン・シェフの店そのものを思い出すというようなことを小熊さんに話していたら、これを小熊さんがシェフに伝えてくださったたようで、アミューズのたくさん詰まった箱をお土産として持たせていただきました。

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こんな気の利き方がたまらないんですよね。大感激で店を後にします。それにしても、こんなに大量のバター&芋の揚げ物・・・カロリーが心配です。といいながら、美味しいので、ついついその晩ホテルで食べちゃいました。

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